木工作業コストの本質を見極める

木工好きな現場監督の俺

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建築家とつくる「木の家」
静岡・焼津・藤枝・島田・金谷・菊川・掛川
コバヤシ建築スタッフ太田慎吾のブログです
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昨日のブログの続きです。
ちょっとしたきっかけからいろいろな気付きを得られるものですね。
友人から自宅のちょっとした「ついで仕事」を頼まれたんですが、現場監督の私にはほんの少し背伸びをしないと
出来ない作業でした。「頼まれごとは試されごと」は敬愛する中村文昭さんの言葉ですが、返事は2秒、予想を
遥かに上回る結果を出さねばならないのが、師からの教えです。

木工作業も自宅で日曜大工するのと、他人様の家で頼まれてやる仕事ではまるっきり勝手が違います。
いろいろと作業を進めながら気付いたことをここへ記しておきます。
作業性を良くしてコストをカットするヒントがここあります。

◎「準備」
ようするに材料を運び、加工するスペースを確保し、必要な道具を施工場所へ並べる、電源を確保、等。
建築の世界では「段取り八分」と言われますがまさにこの部分です。資材を置く場所、どこで加工するのか、使う
道具が揃っているか?これらを事前にきちんと把握しておくことが次に続く施工の生産性を著しく良くも悪くもします。まず第一に準備をきちんとすることがコストカットになります。

◎「木工作業」
制作の部分です。今回は建具周りの木工ですから通常では大工さん、あるいは建具屋さんがやる仕事です。
最近の電動工具は使いやすく、非常にうまく出来ています。昔は例えば木の板を直角まっすぐに手ノコで切る事が
できるようにになるまでには長い修業が必要されましたが、機械化が技術の平等民主化を促しました。
電動のスライドのこぎりを使えば、だれでも安全にまっすぐ直角に板を切ることができるわけです。

ところがここに落とし穴があります。建物というのはすべてが直線と直角で出来ているわけではないのです。工場生産と違うのはこの点です。
現場ではすべての材料に「ひねり」、「そり」、「曲がり」、「のび」、「ひけ」がつきまといます。
これをあたかも直角、まっすぐ、ぴったりに出来ているように見せることが大工さんの一つの技量になります。
大工さんはこの技術習得に長い切磋琢磨の手間暇とコストが掛かっているわけです。
だから、このピッタリくっつける木工技術を簡単に教えてはくれませんね。言葉では伝えられないということもあるのでしょうが。そのような意味で経年劣化で形状が変わっている建物のリフォームは大工さんの技量が物をいいますね。
対極にあるのがいわゆる宮大工さんでしょうか。寺社仏閣仕事は基本的に直線が少ない仕事なんで。

ですのでピッタリとつかなくても良いアメリカ的合理主義のカーペンター品質で良ければコストカットに繋がります。
ローコストに徹したハウスメーカーの仕事はこういうこだわりを排した仕事と言えます。(と言ったら言い過ぎか…)
結論として木工の「つき」の精度を過剰に求めるとコストは跳ね上がる。また、大工さんのプライドが高すぎると
その品質をコントロールできなくてコストアップにつながるというのも一つの真理です。このあたりは心のせめぎあい、葛藤の世界なんでしょうけど。
お客さんと職人とのマッチングという難しい問題も含まれます。

◎「片付け」
これも重要です。「必要なものを必要な数量で必要なときに、」というのは自動車のトヨタ精神でしょうけど
このオンデマンドな合理主義精神が非常に大切です。作業したあとのゴミと残材は少なければ少ないほど手間が減って
間違いなくコストダウンに繋がる。そういえば建築材の工業化されたプレカット加工はこういう利点もあるんですね。

なんだかハウスメーカーの本質って上記のようなところにあるような気もしてきました。

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