デザインも収納も欲張りたい!木のぬくもり感じる平屋テイストの店舗兼住宅

両脇に茶畑を望みながら車を走らせていると、道沿いにおしゃれな建物のパン屋が見えてきた。
菊川市の郊外にあるRICO PAN(リコパン)だ。

思わず「こんなところにおしゃれなパン屋さんがあったなんて…!」と女子のように舞い上がりそうになるこの建物は、RICO PAN(リコパン)のオーナー岩澤さんの店舗兼住宅である。

ご主人、奥様、息子さんの3人家族が生活する岩澤家は、明るく、あたたかな空間であることはもちろん、機能面でも優れた場所だった。
(聞き手:コバヤシ建築 太田慎吾)

居間は広く、天井は高く、軒は深く…さまざまな要望にも、設計士が応えてくれた。

岩澤さん
「自分も機械設計の仕事をしているので、設計士さんにお願いして、直接お話ししたかったのが一番かな。」

なぜ、コバヤシ建築での家づくりを決めたのか?ご主人に聞くと、そんな答えが返ってきた。
岩澤さんは、コバヤシ建築で家を建てたご友人から「設計士が良かった」という評判を聞き、内覧会を経て、コバヤシ建築での家づくりを決めたという。

岩澤さん
「設計は二転三転しましたが、話し合いながら家づくりができたなと感じています。とにかく(設計士の)杉山さんの設計のセンスがよくて、和モダンという感じでいい感じに作っていただきました。」

太田
「杉山はもともと大きなホテルとか企業の保養施設のような高級な作り付け家具の設計から住宅建築業界へ転入して来た人です。細部を大事にするのと並行して建物全体の大きな構造デザインをしていくという、ちょっと珍しいタイプの住宅建築家なんですねその仕事のキメの細かさは身内のわたしでもすごいなと思います。」

岩澤さん
コバヤシ建築の実例写真集を見せてもらって、杉山さんの作る家の雰囲気が好きだったので、大枠はお任せしました。提案してもらったあとで、いろいろな希望をこちらから出しました。「居間はもう少し広く」とか「居間と座敷はつながっている方がいい」とか。」


機械設計のお仕事をされている岩澤さん。作るものこそ違うものの、ものづくりの本質は同じ

岩澤さん(奥様)
「『天井を高くしてほしい』と『軒をぎりぎりまで出してほしい』は、しきりに言っていたよね。」

岩澤さん
「天井が高い方が気持ちがいいから(笑)あと軒がたくさん出ている方がかっこいいイメージがもともと僕にあるんです。それに店にお客さんを呼ぶのに、軒が出ていた方が雨のときとかもいいかなと。よく布の日よけシェードを出している店もあるけれど、それなら最初から大きく軒を出す方がかっこいいかなと思い、お願いしました。」

日本家屋の場合、雨が直接建物に当たらないように軒くすることが多い。その土地の気候風土に合わせて最初から家が長持ちさせるように作られているのだ。 季節によって太陽の角度も変わるため、そのあたりも綿密に計算されている。
夏場は太陽が真上に来るから日差しが家の中の床に落ちないし、冬場は太陽高度が低いから部屋の深くまで日差しが入り込んで暖かい。
日本家屋の伝統的な考え方だ。


見た目のかっこよさはもちろん、機能面でも能力を発揮する深い軒


軒の向こう側には広々とした庭と茶畑が広がる。夏は友人を集めてBBQをするという…羨ましい!

「子どもが居間で黙々と勉強しているのを見ることができる。そんな時間を持てることが嬉しい。」

コバヤシ建築の設計士・杉山の設計する家は、女性からも圧倒的な支持を受けている。
パン屋のオーナーである奥様はこの店舗兼住宅にいる時間がご主人よりも必然的に多くなるが、女性目線で見ても杉山の設計には満足しているという。

岩澤さん(奥様)
「杉山さんの設計された他の物件も見せてもらったんですが、杉山さんは『ものをしまいながら、見せないようにする』という収納がとても上手なんです。女性目線で収納やキッチンを考えてくれるので、とても助かりました。主人が木が大好きなので、木を多く利用するデザインも本当に気に入っています。」

太田
このおうちには床や天井に杉の木をふんだんに使ってあるんです。壁まで全部木だと山小屋風になってしまいますので、弊社としてもそこはバランス良く、ほどよいデザインを心がけました。」

岩澤さん(奥様)
「あたたかいぬくもりを感じますね。あと実際に住んでみて、子どもが居間で黙々と勉強しているのを見ることができるのはいいなあと思いました。きっと、中学くらいまではここで勉強するでしょうね。そんな時間を持てることが嬉しいです。」


キッチンの内側から見える、息子さんの勉強机。親にとっても、子どもにとっても、安心してそれぞれの時間を持てる空間である


嬉しそうに話してくださった奥様

岩澤邸は家のキッチンから、店舗の厨房へ抜けることができる。
朝はご家族の食事と、店へ出す商品の支度とを同時進行でこなすとのこと(大変だ…!)

一見大変な作業も、利便性の高い作りの家がサポートしてくれる。


屋外へ出る必要もないので、気分もからだも楽な通用口

平屋でも収納スペースはたっぷり!襖(ふすま)まで収納してしまうスペース活用にびっくり

平屋テイストでの家づくりを希望していた岩澤さん。
平屋は家族間のコミュニケーションがとりやすかったり、メンテナンス費用が抑えられたりさまざまなメリットがあるが、収納スペースはどうしても限られてしまう。

そんなデメリットはどうカバーしたのだろうか?

太田
「岩澤さんの家は平屋一部二階建てですが、実用的な面ではいかがですか?」

岩澤さん
「収納は細かくて無駄がないですね。デットスペースはすべて収納にしてもらいました。そのかわり壁の部分が少なくて、何か貼るスペースは少なくなりましたが…(笑)
それから居間と和室の境の建具なんですが、外したとき収納する場所もこちらへ作って頂きましたリビングダイニングはもともと十分な広さがありますが、さらに部屋が広くなります。」

太田
「そうすることによって季節ごとに使い分けができます。人がたくさん集まるパーティーのような時もいいですね。実は、昔の日本家屋でも法事のときなどにはこのようにしてたんですね。
あと、これはつくり手でないとちょっと気が付きにくいですが、収納する押し入れの鴨居は少し高めにしてあるんです。それでないと非常に仕舞いにくいです。このあたりの細かい工夫は経験ですね。」


ふすまを外す前


ふすまを外すした後。リビングと和室が繋がって一気に広さが増す


実際に和室のふすまを外し収納する岩澤さん

先ほどもご紹介したが、友人を呼んで広い庭でBBQをし、そのまま泊まってもらうことも多いそうだ。
これだけ広いスペースが確保できれば、「狭い場所で寝かせることになってしまうのでは?」という心配も全くない。
帰りを気にせず、悠々とお酒を楽しむこともできる(笑)


これからも伸び伸びと暮らせる環境の元、あたたかな生活を送ってほしい

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